要約/ビジネス書・映画・本

ビジネス書を中心に購読した要約内容を不定期に更新します。

購読ログ「〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則」

■著書概要

 

水面下で既に進捗している時代の変遷について説明をしています。約30年間をかけて私たちの生活に破壊的変化をもたらすテクノロジーを12の不可避な潮流から分析をしています。点で捉えると理解し辛い変化を線で把握することができます。

■内容詳細

今後、プロダクト(製品)の本質は「サービス」となり、重要なことは「プロセス」になっていきます。例えば、テクノロジーを高度に取り込んだ自動車は交通サービスに変わり、その素材を常に最新のものにアップデートすることで、ユーザーの使い方にすぐに適応し、フィードバックし、競合しながらイノベーションを起こして使い込まれていきます。常に柔軟にカスタマイズされてアップデート化されていきます。

よく言われている「所有」から「利用」に価値が移行をしていること、また「価値ある利用」は常に再定義され続けていきます。「価値ある体験」を開発するためには「結果」ではなく「大局観」を抑えることが大事です。それは「テクノロジー」を含めた社会動向や時代背景、開発方法を抑えることが大切です。面白いと思ったことは技術革新において、本来、注目すべきことは個別の製品(ガジェット)ではなく技術的な革新および研究内容であり、製品は結果で技術的革新は過程となります。価値の源泉は過程で発生した研究内容になるため、成果としての反映方法はプロセスに依存します。

■12の不可避な潮流 

1.BECOMING —ビカミング(なっていく)
変化し続けるデジタル化した世界において、アップグレードを止めることができないです。結果(製品)ではなく、永遠に適応し続ける必要が発生しています。

2.COGNIFYING —コグニファイング(認知化していく)
「認知」することによってAIが自動学習をして、より最適なプロダクトを生むことができる様になっていきます。Googleが本当に作っているのは検索サービスではなく「AI」です。

マシンは認知をすれば人間より正確に確実に業務をこなします。そのため、 競争をしたらマシンに勝てないので共存することが大事です。共存する方法は以下の様な進め方。

1ロボットやコンピューターに僕の仕事などできはしない。

2.OK、かなりいろいろできるようだけれど、僕なら何でもこなせる。

3.OK、僕にできることは何でもできるようだけれど、故障したら僕が必要だし、しょっちゅうそうなる。

4.OK、お決まりの仕事はミスなくやっているが、新しい仕事は教えてやらなきゃいけない。

5.OK、わかった、僕の退屈な仕事は全部やってくれ。そもそも最初から、人間がやるべき仕事じゃなかったんだ。

6.すごいな、以前の仕事はロボットがやっているけど、僕の新しい仕事はもっと面白いし給料もいい!

7.僕の仕事はロボットもコンピューターもできないなんて、すごくうれしい。
[以上を繰り返す]

3.FLOWING —フローイング(流れていく)
インターネットは世界最大のコピーマシンであり自由に無料でコピーがされ続けていきます。模造できないものは「信頼」ぐらいです。

更に無料でなくてもサービスを有料でも購買をしたいと思われる価値発揮できるものは「即時性」、「パーソナライズ」、「解釈」、「信頼性」、「アクセス可能性」、「実体化」、「支援者」、「発見可能性」です。
※補足
・解釈→無料でサービスが利用できる様になっても効果的な使い方がわかるとわからないで効果が大きく変わってくる
・アクセス可能性→所有することは面倒なので利用したいときに利用できる様にする保管の手間をかけず簡単にアクセスできること
・実体化→サービスは自由でも体験に価値を払う。
・支援者→熱烈なファンは良いサービスに「感謝」してお金で報いたいと思っている。
・発見可能性→アマゾンの最大の価値は20年に渡って集めた何百万もの読者レビュー。アマゾンであれば自分の読みたい本が見つけやすいからお金を払う価値が発生する。
更に価値が流れていく過程には4つの段階があります。

▼4つの過程

①固定的/希少→希少なプロダクトを作る。
②無料/どこにでもある→プロダクトのコピー&コモディティ化
③流動的/共有される→プロダクトのアンバンドル化(分割化)。プロダクトを形成する各要素が流動化して新しい用途をみつけリミックスされて新たにバンドル(束、統合)される。
④オープン/なっていく→強力なサービスと利用可能な部分が安価に手に入る様になる。専門性を持たないアマチュアがそれらを使って新しいプロダクトや斬新な製品カテゴリを創りだす。オーディエンスがアーティストに変わる。

物質ではなく、体験にお金を払います。物質にチップが埋め込まれて体験を学習し続け、希少価値を生み、模造され、新しい価値が流れていくという流れがでる。ハードではなくソフトにより価値が出てきます。

4.SCREENING —スクリーニング(画面でみていく)
口伝社会の古代から文字が開発されて、印刷物になり、そこからデジタルスクリーンに変遷していきました。現在、デジタルディスプレイは毎年、約38億、製造されています。世界の人口全員に1台、配布されるペースで生み出されています。スクリーニング(画面を通じて読書)により手元に印刷物がなくても気軽にデータを読み取ることができる。

5.ACCESSING —アクセシング(接続していく)
世界最大のタクシー会社はウーバーだが、車は1台も保有していない、世界でもっとも人気のあるメディアの所有者はFacebookだが自社でコンテンツはひとつも作っていない。アリババは最も市場価格の高い小売業だが倉庫を持っていない、エアビーアンドビーは世界最大の宿泊施設提供会社だが不動産は何も持っていない。興味深いことが起きている。デジタルメディアでもネットフリックス、スポティファイ、アマゾンのキンドルなども同様の現象が発生している。つまり、所有は大事ではなく「アクセス」ができることの方がよっぽど大事。これはインターネット、ウェブ、スマートフォンが結びついた世界によって実現されている。アクセスへと向かい、所有から離れていくこうした長期的な動きを加速させる5つのテクノジーのトレンド(非物質化、リアルタイムのオンデマンド、分散化、プラットフォームの相乗効果、クラウド)が起きている。

①非物質化
過去30年のトレンドはより良いモノをより少ない材料で作ること。現在の自動車は1970年代と比較して平均25%は軽くなっている。デジタルテクノロジーは製品からサービスへの移行を促すことで、非物質化を加速する。知能といったソフトがハードの中に組み込まれて、ハードがソフトの様に動く様になっていく。つまり所有権の購入からアクセス権の定額利用への転換。アドビ社が提供しているPhoto shopなどの話は有名で、バージョン別の販売をやめて月額のサブスクリプションを支払う限り、サービスにサインアップすればいつでも最新のソフトが使える。アクセス方式の結果、コンシューマがプロデューサーにより近づき、消費者がますます製作者のように行動する様になっていく。

②リアルタイムのオンデマンド
アクセスすることは、新しいものをほぼリアルタイムで届けることにもつながる。リアルタイムで動いていなければもはや見向きもされない、有名なのがウーバー。ウーバーが提供できる理由は、従業員がいっぱいいるからではなく、ソフトウェアを所有して、すべての仕事をアウトソーシングをしているからだ。現代生活の長期的なトレンドとしてはほとんどのプロダクトやサービスが短期利用になるのだ。プロダクトやサービスはレンタルやシェアの対象になっていく。

③分散化
分散化は可能になったのではなく不可避なものになった。中央集権的な組織からよりフラットなネットワーク型の世界に移行した結果、すべてのものが素早く流れて全体の統一を維持しないといけなくなった。所有をしても流れ落ちてしまう。
④プラットフォームの相乗効果
サードパーティーと手を組んでプラットフォームの価値を高めている。プラットフォーム上でエコシステムを形成している。
クラウド
大量のデータといつでも接することができる。

6.SHARING —シェアリング(共有していく)

シェア、協力、コラボレーション、集産主義。Facebookは14億を超える人々が介在して、10億の人々が無償でコンテンツを作成し続けている。経済原理ではなく、ギフトの共有。オープンソースの開発者は学んで新しい技能を身に着ける。また、無料で働く人は自分という鈍ったソフトウェアを改善するため。マスのオーディエンスが力を持つ時代は終わった。シェアテクノジーによりクリックひとつで情報にたどり着ける様になった。

7.FILTERING —フィルタリング(選別していく)
途方もなく増える選択肢をアシストすること。アシストする人はゲートキーパー、仲介者、キュレーター、ブランド、政府、文化的環境、友人、われわれなど。レコメンドフィルターがないと、途方もない情報があるため、判断に苦しむ。パーソナライズが進めば進むほどフィルターはその個性を認識しやすくなり、より働きやすくなる。

8.REMIXING —リミクシング(リミックスしていく)
原始的なテクノロジーと新しいテクノロジーが掛け合わされていく。既存の素材を再構成、再利用されていく。

9.INTERACTING —インタラクティング(相互作用していく)
VRの様な機能によって頭で考えるだけで直接、テクノロジーとインタラクションしていく流れ。

10.TRACKING —トラッキング(追跡していく)
すべてのログを追跡することで、サービスを向上させていくことができる。

11.QUESTIONING —クエスチョニング(質問していく)
問題を解決する以上に新しい課題を見つけていく、質問していくことが更なる価値の再形成になっていく。

12.BEGINNING —ビギニング(始まっていく)
1~11の流れで進み、新しいライフスタイルやデジタル社会が始まっていく ことを示します。